文化の違い 2009 4 5
経営の失敗を税金で救済する。
この問題点を理解しているでしょうか。
4月4日のNIKKEI NETのニュースによると、
「政府の管理下で経営再建中の米住宅金融公社2社が、
社員を引き留めるために、
総額2億1000万ドル(約210億円)の特別賞与の支給を
計画していることが明らかになった」という。
日本では、2003年に、りそな銀行が巨額の公的資金の注入を受けました。
そのため、りそな銀行の銀行員は、ボーナスなし、給料カットとなりました。
(なかには、生活に困って、銀行から緊急融資を受けた銀行員もいると聞きました)
それでも、りそな銀行の銀行員は、日夜、銀行の再建へ向けて努力したのです。
国民も、そんな銀行員の姿を見て、
「経営の失敗を税金で救済すること」に納得したのです。
私は、昨年、アメリカの金融危機に対して、公的資金の注入を主張しました。
しかし、これが間違いだったと思っています。
なぜかというと、私は、日本とアメリカの「文化の違い」を理解していなかったからです。
(本当に日米における文化の違いを痛感しています)
やはり、原則に立ち返り、アメリカでは、
経営の失敗を税金で救済するのは、おかしいと思います。
アメリカにおいては、経営不振になった場合は、
Chapter 11を検討すべきだと思います。
どう考えても、アメリカ国民の多数を説得するのは困難だと思います。
つまり、「経営の失敗を税金で救済する」というテーマで、
アメリカ国民を説得するのは無理だと思います。
さて、ビル・トッテン氏は、アメリカ型社会について、
「こういう社会では、お金が唯一の価値観になる。
そんな大人の姿を見せておいて、
子供に『お金よりも大切なものがある』と教えたところで、
信じろという方に無理がある」と書いています。
書名 アメリカ型社会は日本人を不幸にする
著者 ビル・トッテン 大和書房